人材ビジネスコラム

「量よりも中身が大切」と教えてくれた
第10回派遣スタッフ満足度調査

三浦 和夫[著]  / 2008-04-10  / ブックマーク はてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録

  オピニオン社が3月に行った第10回派遣スタッフ満足度調査結果。それが月刊人材ビジネス4月号で掲載されています。
  結論から言うと、満足度調査は人材派遣業界のサービス向上に貢献して、良い方向へと進展しているな、と感じました。
  回答した派遣スタッフの皆さんは3,700人を数え、過去最高を記録。現役のスタッフもそれだけ満足度調査に大きな関心を示していることがわかります。
  もう1つ。今回は調査開始からちょうど10回目だということで、上位10社を公開した点も目新しいところです。10位内に、規模の大きいこれまでの6社以外の企業が登場したことも面白かった=ランキング参照。

  トップはフジスタッフ。また上位にヒューマンリソシアが選ばれました。さらに、インテリジェンスやピープルスタッフも登場し、スタッフ満足度の高い企業は多様化していることがわかりました。初めて上位にランクされた各企業は、それまでのスタッフの皆さんに対する対応が支持されたわけであり、嬉しさもひとしおではないか、と思います。

  ところで、トップと上位にランクされたフジスタッフとヒューマンリソシアに絞って、なぜこの2社がスタッフたちから支持されたかを考えてみます。
  両社の共通点は女性社長だということです。フジスタッフは増山律子さん、ヒューマンリソシアは桑原加鶴子さん。2人は事務系サービスの派遣に力を入れてきましたが、派遣スタッフの皆さんのほとんどが女性たちです。
  女性の職域は拡大したとはいえ、結婚と出産そして職場復帰について、日本企業の環境整備はまだまだ十分ではありません。そういう中で、この2社は女性たちが元気に働ける支援策を考えサービスとして具体化してきたことが、今回の満足度調査で支持されたのではないか、と私は思います。女性経営者による細やかなサービスが受け入れられている、と言っても良いでしょう。

  私は、以前から述べてきたところですが、人材派遣業界は売上高のように規模だけを追求する時代はすでに終わったと考えています。規模も必要だが、中身が伴わなければ意味はありません。
  事業としての量的な拡大の余地が十分ある時代はすでに過ぎ去り、いかに良質なスタッフを確保し、できるだけ長期の派遣で働いてもらったり、1つの派遣契約が終了しても引き続き当該派遣会社に所属しつつ、次の仕事でも働いてもらえる環境作りが求められているのです。
  そのことでリクルーティングコストの上昇を抑えることにもつながり、その分をスタッフ対策に振り向けることが可能となるのです。派遣スタッフたちの満足度を向上させることが、派遣先の満足度を上げることにつながると私は確信しています。

【第10回派遣スタッフ満足度調査の概要】
  アンケートは派遣会社を利用して仕事に就いたことのある人に対し、派遣登録-就業開始-契約終了までの業務フローに沿って、全部で17項目質問し、5段階評価で満足度を聞いた。

 ●実施期間  2008年2月14日から25日まで
  ●実施方法  インターネット調査
  ●有効回答数 3725人
  ●男女比   男性1004人(27.0%)、女性2683人(72.0%)、無回答38人(1.0%)

第10回スタッフ満足度調査ベスト10

第10回スタッフ満足度調査ベスト10

著者プロフィール
三浦 和夫

月刊人材ビジネス 主筆
三浦 和夫

株式会社オピニオン 代表取締役社長。
「人材派遣の活用法」「よくわかる人材ビジネス業界」「派遣社員活用の実際」など、関係書籍多数。

関連記事

満足度調査