人材ビジネスコラム

ハワイ版ハローワーク

藤川 恵子[著]  / 2005-09-20  / ブックマーク はてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録

 ハワイ州には全部で8ヶ所の公共職業安定所「ハローワーク」があり、そのうち7ヶ所は州都ホノルル市が位置するオアフ島にある。最も大きなハローワークは、ホノルル市のダウンタウンにあるオフィスで、毎月2000人前後の人が仕事を探しにここへやってくる。ハワイはサービス業が中心で、職種も一般事務が多いため、ハローワークで仕事を探す人の割合はやや女性が多い。もっとも、ほとんどの人は失業保険申請のためにハローワークに来ているのであって、本気で仕事を探している人はそれ程多くない。というのも、ハワイを含めてアメリカでは、地元新聞(特に日曜版)で仕事を探すのが一般的だからだ。

ハワイ州のハローワークの様子。(求職者の顔は「目隠し」しています)

ハワイ州のハローワークの様子。(求職者の顔は「目隠し」しています)

 しかし、ハワイのハローワークは「失業保険申請」と「職探し」の役目だけではなく、他にもさまざまな役割を果たしている。これは、アメリカ連邦法の労働力投資法が各地方公共団体のハローワークに裁量を与え、ある程度自由に運営を任せているからだが、ハワイのハローワークはより多くの市民が利用できるように知恵を振り絞っている。

 たとえば、退役軍人向けプログラムや移民向けプログラムを提供したり、すでに仕事を持っている人のためのスキルアップ訓練を提供したりしている。その他に、ワークショップを定期的に行い、失業者や求職者だけでなく一般市民にも役立つ情報を提供している。ワークショップの内容は、自営業向けのもの、履歴書の書き方を教えるもの、面接マナーを教えるもの、などさまざまである。

 ユニークなのは、ホノルル市ダウンタウンにいる約20名の職員の顔ぶれである。ある者は州の職員、ある者は市の職員、またある者はNPOの職員、そして、派遣会社の社員もいるのである。さらに、派遣会社がハローワーク内で「派遣登録会」を実施することもあるというから驚きである。まさに、官民が協力し合ってハローワークを運営しているという感じだ。どのスタッフもフレンドリーで親身になって相談に応じてくれるので、筆者も登録したくなってしまった。

ハワイ・ハローワーク 登録手順

<ハワイ・ハローワーク 登録手順> *失業者は1ヶ月に1度、PES(公共職業サービス:Public Employment Service)に報告に来ることが義務づけられている。
登録者のデータベースは月に1度報告に来る限り永久的に、そうでない場合は90日間保管される。

著者プロフィール
藤川 恵子

インディペンデント・リサーチャー
藤川 恵子

大阪大学大学院法学研究科博士課程修了(博士(法学))。2001年4月より,株式会社リクルート・ワークス研究所客員研究員。専門は労働法・労働政策。特に欧米の労働市場に精通。主な著書に「IT時代の雇用システム」(共著・日本評論社、2001年)、「雇用政策の経済分析」(共著・日本労働研究機構、2003年)、"Non-standard Work in Developed Economies: Causes and Institute(2003)、「人材派遣会社の作り方・儲け方」(共著・ぱる出版、2004年)などがある。

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