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東京圏への転入が加速。地方は減少の一途
地方の派遣元企業の将来設計に影を落とす

2015-03-31  /  ブックマーク はてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録

 東京圏に人口が集中して地方はさらに地盤沈下へ――。総務省がこのほど発表した住民基本台帳による2014年の人口移動状況によると、東京、神奈川、千葉、埼玉のいわゆる東京圏に住民移動が集中していることがわかった。東京圏で転入者が転出者を上回る転入超過が約11万人を数え、3年連続の対前年転入超過増となった。

 名古屋圏と大阪圏は2年連続で転出超過。都道府県別の転出超過は40府県となった。この減少に対して政府は昨年12月で閣議決定した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」で地方の人口流出にブレーキをかけようとしているが、効果を期待する声は多くない。

 人口移動状況の調査によると、東京、千葉、埼玉、神奈川のいわゆる東京圏の転入超過は13年から約1万3千人増加した。岐阜、愛知、三重の名古屋圏では愛知のみ転入が増加して他の2県は転出超過。3県の転出超過は約8百人。京都、大阪、兵庫、奈良の大阪圏では、大阪府が2010年以来の転出超過となり、全体で約1万2千人の転出超過となった。

 なお、都道府県別の転出超過の最多は北海道の約9千人。次いで、静岡の7千2百人、兵庫の7千人と続いている。東京圏以外の転入超過は宮城、愛知、福岡の3県。沖縄は08年以来の転出超過を示した。

 ところで、この人口移動状況調査結果は人材ビジネス業界の将来を予知する指標となる。現在の新規許可件数は1万9千6百3件(今年の1月1日付許可)となり、昨年来毎月平均百件ずつ増加している。増加率30〜50%の原因として特定派遣事業の届出制から一般派遣の許可制への切り替えが目立つ。特定派遣の廃止を決めた労働者派遣法改正案の影響が大きい。

 また、許可取得件数を概観すると、東京圏は全体の約40%を占めている。大阪圏は約16%、名古屋圏は約10%の順。他の政令都市を含む圏では5%未満が多く、派遣元営業所の統廃合の要因となりそうである。政令都市以外の都市では今後も転出超過が続くことが予想されている。「地方都市の派遣事業は需給バランスがすでに崩れており、同業他社との合併または転業、廃業を検討せざるを得ない」との声が日増しに聞かれる。

 2桁の派遣元事業主に対する小誌調査では、「東京圏内の事業は何とかやっていけるかもしれないが、それでも業界の大胆な再編成が必要になるかもしれない。特に、東京圏以外の中小規模の派遣元会社の生き残りは困難だろう」との見方が目につく。

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