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「同一労働・同一賃金」本格協議へ
「一億総活躍プラン」閣議決定

2016-06-15  /  ブックマーク はてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録

 政府は6月2日、経済財政運営と改革の基本方針である「骨太の方針」をまとめ閣議決定した。5月18日にまとめられた「ニッポン一億総活躍プラン」の中の、「同一労働・同一賃金」など働き方改革が盛り込まれた内容。
 
 「同一労働・同一賃金」は、フルタイム労働者に対するパートタイム労働者の賃金水準を引き上げることを意図する。国内に約2007万人いるとされる非正規労働者(厚労省労働力調査平成28年1〜3月期平均[速報])の待遇改善の観点から注目される項目だ。

 ちなみに、フルタイム労働者に対するパートタイム労働者の賃金水準は、ヨーロッパ諸国の70〜80%に対して我が国は56.8%と低い。この比率を「ヨーロッパ諸国に遜色ない水準を目指す」(同プラン)という。そのためには「合理的理由のない賃金格差」を是正するための指針の作成が急務。

 非正規賃金をアップすれば、非正規労働者の結婚・出産を促す要因になると考えられ、所得格差による経済成長の損失率も抑制できるという。

 自民党の「同一労働・同一賃金」検証プロジェクトチーム(座長:松野博一衆議院議員)が4月に出した中間報告では、「早急にガイドラインを策定し、平成29年春闘での労使による見直しの促進を図る」としており、ガイドライン作成後はそれを労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法3法に盛り込む改正案を18〜19年度に向けて作成する方針だ。
 
 一部実効性に疑問符も

 ところで、「ニッポン一億総活躍プラン」の働き方改革では、
 ・ 残業時間を月100時間以上から80時間以上に引き下げる労働基準監督署の新基準策定での長時間労働の是正
 ・ 高齢者の就労機会の確保や障害者らの活躍支援
 ・ 介護人材の賃金を17年度から平均月額1万円程度引き上げ
 ・ 保育士給与を17年度から月額約6千円引き上げなども盛り込まれる予定。

 ただし、実効性には疑問が残る部分もある(識者)。同一労働・同一賃金では狙い通りに企業が賃金を引き上げるとは限らず、同様に盛り込まれた保育士や介護職員の賃金引き上げでは、必要な財源確保も見えていない(同)。

 派遣業界にとっては、「同一労働・同一賃金」がどのような仕組みで関わってくるのか、その工程も未だ具体性を欠く。人材業界も今後の行方に注目している。

グラフ

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