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「育成就労制度」がスタート!外国人雇用はどう変わる? グローバルスタッフ雇用支援協会の会員企業向けセミナーが盛況

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人材ビジネス会社はついに「人手不足対策に外国人材を活用しましょう」とセールストークができる。

政府は329日の閣議決定で「特定技能制度の運用に関する基本方針の変更」が行われ、技能実習制度を廃止。新たに「育成就労制度」として生まれ変わった。同制度は技能実習とは異なり、「特定技能に移行できる人材を育成すること」を目的とする。受け入れができる職種も特定技能と同じ産業分類に限定される。育成就労の転職の要件などまだ未確定な部分はあるが、育成就労の対象職種に関してはかなりクリアになったといえる。

今回の新制度で特定技能に「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4つの産業分野が追加され、「製造」「飲食」の2つの産業分野で人数枠が拡大。今回設定された人数枠の合計は82万人で、開始当初は5年間で約34万人とされていた人数枠と比較すると2倍以上の増加となった。

こうしたマーケットの気運の高まりを受け、一般社団法人グローバルスタッフ雇用支援協会(東京都八王子市)は同日、都内において会員企業向けイベント「外国人受け入れセミナー 技能実習制度・特定技能制度の改革最新情報!」を開催した。同イベントには外国人雇用を展開する会員企業14社45人が参集、育成就労制度をはじめ、外国人雇用に関連する今後の動向と留意点を再確認した。

登壇したのは外国人雇用分野の弁護士として著名な杉田昌平氏。「制度改正にかかる政府方針及び技能実習法等改正法案(育成就労法法案)の分析」と題し、関連資料をもとに、前半は「従来の在留資格制度との関係」「これまでの政策との関係」についてわかりやすく解説。政府が打ち出す方針が実務上どのように影響するのかを補足した。また、後半では「育成就労法法案の概要」、「育成就労制度の概要」について押さえるべき重点ポイントを整理。同氏は最後に「育成就労産業分野」、「労働者派遣等育成就労産業分野」、「移籍金の方法」、「訪日費用の分担方式」などの未確定な重要論点について言及。質疑応答では「梱包業務について詳細を知りたい」「派遣会社が押さえるべき留意点を知りたい」などの新制度の運用に関する質問が飛び交い、参加者は熱心にメモを走らせた。同団体は今後も育成就労制度の運用に関するイベントを通して周知啓蒙を推進していく。


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